日時:2016年3月22日(火)9:00~12:00
場所:早稲田大学(早稲田キャンパス) 14号館1階(102教室)
〔趣旨〕世界の山岳地域には、歴史的・文化的背景が異なるにもかかわらず、似たような自然を利用する文化が発達してきた。本シンポジウムでは、山岳地域におけるコモンズの利用に注目し、人と自然の関わりを捉えてゆく。対象とするのは、エベレスト・アルプス・富士山である。これらの地域には厳しい自然環境で人間が暮らしてゆくため、さまざまな文化が発達した。たとえば、河川や氷河の融解水利用、高所から低所まで移動する移牧、集落から離れた場所での茅場利用などはその一例である。これらの資源利用は麓の村々における共有地管理のなかでおこなわれてきた。また、これらの地域は、近年観光地として、域外からの人々を迎える点でも共通している。観光化に伴い、従来の資源利用が衰退する集落がある一方で、細々と継続したり、形を変えて生き残る集落もある。本シンポジウムでは、山岳地域における共有地利用の変遷を、フィールドワークをもとに分析したい。
プログラム
〔趣旨説明〕
渡辺和之(立命館大・非常勤) 9:00-9:05
〔発表〕(座長:池谷和信(民博・総研大)発表1・2,渡辺和之(立命館大・非常勤)発表3・4)
1)9:05-9:25
渡辺和之(立命館大・非常勤)山岳地域のコモンズ:観光化・生業の現在
2)9:25-9:45
朝日克彦(信州大)ヒマラヤにおける氷河融解水の利用
3)9:45-10:05
白坂 蕃(東京学芸大・名誉教授)アルプス南麓イタリア, フェアナークト村における移牧と観光化
4)10:05-10:25
池谷和信(民博・総研大)・渡辺和之 富士山麓における茅場利用と恩賜林組合
〔コメント〕10:25-10:40
コメント 中辻亨(甲南大)
〔総合討論〕10:40-11:30